10月12日 ローマと別れを告げて次の町ヴェネツィアへ向かう。 重たいスーツケースを転がして駅まで徒歩30分。電車やタクシーを使おうかとも思ったが歩いちゃった。 スーツケースなんだけど、転がらないんだよねこれが。なんたってこっちは石畳。車がビュンビュン走るところはアスファルトの道が多いけど、歩道なんかはALLでこぼこ道だからスーツケースが進まない。 特に丸山さんから借りたスーツケースはシャキーンってやつがなかったから斜めに出来ない分転がり性能が悪くて大変だった。 駅には早く着いた。40分前くらいに着いた。しかし乗り場がわからない。電車の時刻や行き先、乗り場が書いてある掲示板は一文字づつくるくる回るタイプの掲示板だった。 それを見てみたけど、乗り場が書いてある電車と書いてない電車がある。俺たちの乗るヴェネツィア行きは乗り場が書いていない。どこに行けばいいんだろう? インフォメーションに聞いても「自分で見ろ」みたいな事を言われて要領を得ない。 まあ、じゃあ乗り場を一個一個見てくるかぁ。 って言っても広くて大変。30個くらい乗り場がある様子。しかもいくつかは離れているところにあるみたいで、そっちだったらどうしよう。 刻々と発車時間が迫って来ていた。こっちは重たい荷物を転がしているからなかなか歩いて探すのも大変。 よっちに荷物を預けて俺は一人で走り回った。ホームの端から端まで全部見た。 あ、これっぽい!5番線か。 よっちのところに戻るとよっちが 「5番でしょ」 「えー?なんで知ってるの?」 「掲示板に乗り場が出たよ。待っていれば案内がでるみたい」 まったく人騒がせな掲示板ですよ。 ところが5番乗り場に来たけど行き先はヴェネツィアと書いていない。これでいいのか? 道行く人に聞いたらよくわからないけど、これでいいと言われた。 さらに車両番号が切符のここに書いてあるこの番号で・・・とかまで教えてくれた。 ちょっと電車が間違っていないか不安だったけど乗った。席も見つけられた。 こっちの電車は向かい合わせの席が多い。俺の向かいによっち。俺とよっちの隣にはそれぞれ別のお客さんが座っていた。そういうものなのかぁ。ちょっと不思議。 ヴェネツィアに到着してまずホテルを探さなければならなかった。ローマのホテルドナテッロではバスルームの狭さに少しうんざりしていたからバスタブつきの部屋がいいねって話していた。 まずは駅の中にある喫茶店でご飯を軽く済ませた。って簡単に書いたけど実は結構苦戦した。 セルフサービスの食券システムだったのだ。やり方がわからなくて人がやっているのをジーっとみていた。しかし食券は自動販売機ではなく店員さんがいる。なんていえばいいんだろう?さすがにそれはジーっと見ていてもわからない。 まず、食べたいものを決めて、それをいえばたぶん通じるんだろう。 「two hamburgers」 どうやら買えたらしい。いや緊張する。 大きな荷物を抱えてご飯を食べる。ホテルが取れるだろうか、不安はある。もし何かのイベントに重なっていたりするとホテルが取れないこともあると観光の本に書いてあったからだ。 まずはホテルインフォメーションに行った。一つ目の「365」と書いてあるところはなんかわからんけどあっちに行けといわれた(らしい)。係りの人はイタリア語で何かを言った。出来ない、という意味なのか英語は話せないという意味なのかは不明。意外とイタリア語しかしゃべれない人もいる。 もうひとつのインフォメーションに並んでいると男が近づいてきて「ホテルを探しているのか?」と聞いてきた。なんか怪しいなぁと思いつつもよっちが「そうだ」と答えた。 あまり相手にせずこのまま並んでいるのがいいと思ったが、どうもこの男はこのインフォメーションの人ですとアピールしていて、ここで探してもらうより駅を出ればすぐにホテルがあるから自分で探した方がいい。その方が手数料も取られないしね。とアドバイスしてくれて去っていった。 金を求めてこないところからして彼はいい人だ信じよう、ってことで駅を出て歩いてみる。 確かにホテルはたくさんある。まずは観光本に書いてあったバスタブ付きの部屋があるホテルを探した。なかなか見つけられない。気が付いたら曲がるべき通りを過ぎていた。 戻りながら探す。 え?もしかしてこの道じゃないのか? すごく細い道がどうやらそのホテルへ通じる道らしい。両手を広げられないくらい狭い路地だ。 荷物をガラガラするのがとにかく大変なので 「ちょっとみてくるわ。」 よっちを置き去りにしてホテルを探しに行ってみた。うーん。怪しい通りだ。こんなところにホテルなんか・・・あった。 本に書いてあったホテルだ。よし入ってみよう。 とても小さなロビーだった。女の人が一人立っていた。 「ハロー」 『ハロー』 「Do you have a room?」 「No.※♂*〇 Full」 「Ok.Thank you.Bye」 うーん、どうやら満室らしい。残念。やっと見つけたのに。 大通りを歩く。ホテル自体はいっぱいあるんだ。とりあえずひとつ入ってみよう。 「4つ星ホテルだね。」 「えっ?なんでわかるの?」 「入り口んところに書いてあるよほら。」 「へー、なるほどね。じゃ、ここ聞いてみよう。高いかなぁ。」 そのホテルはロビーも広くていかにも高そうだった。フロントにはおっさんが二人。 「こんにちは、部屋ありますか?」英語です。 「あるよ」 「いくら?」 「180ユーロ」 「高いけどびっくりするくらいじゃないね。ここでいっか?」 「うん、いいよ」 「あ、3泊なんだけど」 「じゃあ料金は1泊140ユーロになるよ。」 「え、なんで?」 「3泊だから」 心の中でワンダフル!思ったより全然高くない。だって本を見るといいホテルは280ユーロとかって書いてあるんだもん このホテルはボーイさんが荷物を運んでくれた。2つで合計50kgもあるスーツケースを軽々と、頑張って、階段を上がって行く。 なんだか悪いねということで、チップを渡してみた。向こうはなんだか困っていたみたいだったけど彼の手の中に押し込んだ。未だにわからん。 部屋はとってもエクセレント。風呂も広い。なんともはあ、いいね。 さって、無事部屋も取れたし、少しヴェネツィアって町を見てきますか! まずは駅のほうに少し歩きながらどんなお店があるのか見て回る。観光地なんだね、お土産やさんには必ずあのお面が売っているんだ。あとは食べ物屋さん、ホテル、などが所狭しと並んでいる。 駅の近くの橋の上で夕日を浴びながら写真を一枚。ちょっとエレガントなかんじでないですか。 駅から少し離れると民家なのか何かわからない何も書いていない建物もある。民家であろう。しかしローマもそうだったけど一戸建てって感じの家ははない。いやあれでそうなのかな?わからん。 探検、探検!ってずんずん進んでいったら迷子になった。周りを見渡すと路地&路地&小さい川。来た道を戻る自信がないくらい複雑なところを通って来てしまったし・・・。 ヴェネツィアは川が多い。大きな川が町の真ん中を流れ、そこに流れ込むようにたくさんの小さな川が流れている。そして土地が狭い。川面ギリギリの設計で建物が建っている。川はグニャグニャ曲がりくねっているから当然それに沿って町もグニャグニャだ。 そんな風景ばっかりだから迷子になる。おれのせいじゃない。 迷子だって言うのに余裕の一枚。少年達がサッカーをしていた。 でも人の流れに沿っていけばいいだろうという安易な考えで人に着いていったら無事にアカデミア橋まで到着。おお、サン・マルコ広場までもう少しじゃん。 アカデミア橋で写真を撮ってくれと頼まれた。 「撮りますよ」って行こうとしたら文句を言われた。 「もっと遠くから!」 あ、すいません。なんか怒ってる?こっちの人ってホントに遠慮がないよね。 サン・マルコ広場に到着。 暗くなりかけていたけど、広場の縁に近いところには飲食店のテーブルがいっぱい出ていて、どこもかしこもゴージャスな演奏をしていた。 かなり大人な雰囲気です。よーし、俺たちだって! ひとつのお店に入る。ウエイターに2人だけどいい?って聞いたら好きなところにどうぞだって。 飲み物をひとつずつ頼んだ。おまけでポテチが付いてきた。おお。 りんごジュースうまい〜! そして演奏が素晴らしい。こういう仕事をする人が居る国ってのはいいよね。日本じゃ本当に高級なレストランとかにしか無いけど、もっと気楽にいけたらいいのに。 料金は確かに少し高い。お茶とポテチ(おまけ)で2000円くらいしたっけ。でもま、かなりいい気分だった。 お会計をするときは「イル コンタ ペルファボーレ」って本に書いてあったけど、いままで使った事が無かった。ここで初めて使ってみようとウエイターに声を掛けた。 「スクージィ(すみません)、 イル コン・・・」なんだっけ? 「タ」 なんとお店の人が続きを言ってくれた。イタリア語講座ですな。よっちは大うけ。ふむ。 ペルファボーレは「お願いします」の意味なので言わなくても意味は通じるみたい。 お店を出て広場で写真を撮ったりお土産をみたりしてみた。 ちゃんと構えているお店はガラスのお店が多い。ヴェネツィアンガラスと言って有名なんだそうで、いい値段するんだこれが。 よっちは自分とれいたん用にここでお買い物。ヴェネツィアン〜。 道端で音楽をしている人もいる。ギターで「禁じられた遊び」だった。俺も弾けるよ。ゆうちゃんから教わったからね。 帰りはヴァポレットというバスの船版みたいのがあって、それで帰る。乗り場がわからなくて、いろんな人に聞いた。聞く人聞く人みんな違うことを言ってきてかなり迷った。 船は面白いね。夜のヴェネツィアが水に浮かんでいる。大変きれいな光だ。観光名所であるリカルド橋もくぐった。 ヴェネツィアは手漕ぎの船「ゴンドラ」が有名なんだけど、時々細い水路で渋滞していた。 乗ってみたいね〜、と言ってたけど結局乗らなかった。なんでも高いみたいで。1時間乗って70ユーロ(1万円くらい)。 夕食はホテルの近くのピッツァにした。まだ食べていなかったんだ。さてさて、生ハムのやつと、チーズ4種盛ってやつを1枚ずつ頼んだ。 しまった!でかい。食いきれるか? 味は大変よろしい。ほとんど予想通りの味だ。 最後はやはり余ったので「テイクアウト」と言ってみた。通じて、箱に入れてくれた。 日本と同じような平たい段ボール箱に入れてくれた。ここで不思議なことが起こった。 店員さんが箱をノックしてなぜか「ピッツァ」と言う。お店の人がもう一回ノックする。俺たちがまねして「ピッツァ」と答えると、それに店員さんが大ハマリしていた。受けているのだ。意味がわからん。 その後も会計して店の外に出るまで何回もノックをしにやってきた。そのたびに俺とよっちは「ピッツァ」と答えてあげた。 不思議だ。 通りに並ぶ仮面のお土産を見て欲しいなぁ〜と言いながらホテルに帰った。 洗濯しよう!ってんで洗濯開始。下着と靴下だけにしたんだけど、めちゃくちゃ時間が掛かって二人掛かりで3時間くらい奮闘していた。 洗濯機ってすばらしい発明ですね。 ヴェネツィア二日目。 朝からムラーノ島へ渡った。昨日買ったヴァポレットのチケットが24時間券だから、そのまま乗れる。 川を出て海。とても気持ちいい。ちょうどいい天気で風が気持ちいい。 ムラーノ島はヴェネツィアンガラスの工場があるところらしい。ここで作られたガラス細工は「コピーすることが出来ないムラーノシール」が貼られてここで作られていることをアピールしているらしい。 しかし島はなんもねぇ。美術館はあったけど、バチカンで痛い目を見たから見なくてもいっかぁ。時計台があった。別に名所でもなんでもない。 歩きつかれたのでお昼を食べて帰る。雰囲気はわかった。田舎なんだ。 明日の電車チケットをとった。明日にはもうミラノへ移動する。今日ヴェネツィアをたっぷり見ておかないと。 なーんて言って、なんだか旅の疲れが出て来ていてホテルで昼寝してしまう。Zzz。 起きたらもう5時とかそんなんだった。 やばい、ヴェネツィアが終わる! あわててヴァポレットに乗ってサンマルコ広場へ繰り出した。昨日は暗くてうまく取れなかったプードルのオブジェの撮影に成功。誰が作ったのか、なかなか面白いじゃないか。 サンマルコ広場ではまず塔に登った。昨日はゆっくりセレブにお茶していたら閉まってしまったからね。 写真でもわかるけど、ヴェネツィアって町はぐちゃぐちゃだ。碁盤の目になっている京都とは正反対。 塔の上で日が暮れる。暗くなり始めたらつるべ落としだ。海岸線が綺麗な光で彩られた。 お土産を見る。よっちは意を決してヴェネツィアンガラスのお皿をとん吉に買った。高いけど、いいものだ。 俺も意を決してお面を購入。やつらの誰かへのお土産だ。 夕ご飯でも食べて帰るか〜、って昨日声を掛けられて気になっていたレストランへ行ってみた。そこは日本語のメニューがあって、ウエイターも少し日本語をしゃべれるようなのだ。 さて何しようかな。ヴェネツィア料理ってあるからこれ食べてみよう。俺はレバーのヴェネツィア風炒めを頼んだ。 よっちは無難にパスタ、無難に聞いた事のあるぺペロンチーノにした。そう、無難に。 「からいかな?」 「あー、そうだね。辛いかもね。食べれなかったら交換しようよ」 果たしてぺペロンチーノは来た。よっちは食べ始める。 「からい。あ、すんげーからい。」 「どれどれ」 おお。からいではないか。 良く見てみよう。これは唐辛子ですね。麺より多いじゃないか!それは言いすぎだけど、尋常じゃない量が入っている。 よっちが見る見る赤くなっていった。 ウエイターが来て「おいしいか」 と聞くから「辛い!」と答えた。 そしたら彼は「辛いのはいいんだよ。夜の仕事も良く出来るから」と言ってにやけ笑いで去って行った。イタリアンって気さくだよ。日本じゃ普通店員がそんなこと言うか? レバーはすごくおいしかった。辛くもない。だけど俺には少し足りなかったからパスタの追加でマッシュルームのホワイトソースパスタを頼んだ。 これもうまいね。辛くもない。 よっちと交換しながら食べた。うん、ペペロンチーノは辛い!ナイトワークウェル! お腹が膨れたところで帰る。いやあ、良かった良かった。 ヴェネツィアのウエイターは特に気さくなのが多いなぁ。楽しかった。 |